葉酸は、ビタミンB群の葉酸は、葉野菜に多く含まれていることから「緑のビタミン」とも呼ばれています。
葉酸は、たんぱく質の代謝にも深く関わる栄養素で、DNAなどの核酸を合成する重要な役割があることから、お腹の赤ちゃんを脳神経障害のリスクから守る栄養素として知られています。
葉酸は赤ちゃんのため、というイメージがありますが、実は妊活中の男性が摂取することで、男性不妊を予防し、妊娠率を高めることがわかっています。
精子の質には葉酸が不可欠!
男性不妊の原因で一番多いのが、精子の数や運動率の低下、奇形率の高さなどの乏精子症です。
精子は「精祖細胞」と言われ、約20種類のアミノ酸から精子の細胞となるたんばく質が作られます。
葉酸には、たんぱく質の代謝を促したり、遺伝子情報のDNAを正しく伝える働きがあります。
アメリカのカリフォルニア大学の研究チームが、男性の葉酸摂取量と染色体異常の精子ができる割合を比較して関係性を調査しました。
その結果、葉酸を摂取している男性の精子は、葉酸を摂取していない精子に比べて、奇形や染色体異常の割合が20~30%も低いことがわかりました。
健康な男性の精液にも、1~4%くらいは染色体異常の精子が混ざっています。染色体異常の精子は、卵子にたどり着くのが難しく、卵子と巡り会えても受精できなかったり、化学流産の原因にもなります。
男性に必要な葉酸はどのくらい?
精子は、毎日新しく作り出されるため、葉酸の働きが欠かせません。男性に必要な葉酸の摂取量は1日に240μgです。女性の半分程度ですので、食事からでも補えそうですね。
精子は3ヵ月かけてゆっくり作られますので、質の良い精子のためには、最低3ヵ月以上は葉酸を摂取しましょう。
効果的な葉酸の摂り方は?
葉酸は文字通り「葉野菜」に多く含まれてるビタミンです。
葉酸を多く含む食品
【 ほうれん草・レバー・枝豆・アボカド・焼き海苔 】
葉酸は水に溶けやすいビタミンですので、水洗いや加熱調理による損失が大きく、調理法によっては約半分にまで減ってしまいます。スープなどにして葉酸を丸ごと摂るのがおすすめです。
サプリメントで摂取する場合は、葉酸の吸収や働きを助ける補酵素も含まれているかチェックしましょう。
葉酸を手助けする栄養素は、ビタミンB6、ビタミンB12、亜鉛です。
まとめ
これまで葉酸は、赤ちゃんの発育に必要な栄養素として、妊婦さんへの摂取が推奨されてきましたが、精子の質にも欠かせない栄養素として認知されつつあります。
男性も女性も葉酸を摂ることで妊娠率を高め、産まれてくる赤ちゃんを脳障害から守ります。
葉酸は普段の食事だけでは不足しやすい栄養素ですので、日頃から意識して摂るようにしましょう。