【食事制限】妊活中に注意すべき食べ物(男女対応)

妊活中は食事に気を配り、妊活に役立つ食材を積極的に摂るように心がけることが大切です。

そして、それと同じくらい大切なことは、妊活をさまたげるような健康に良くない食材をできるだけ避けることです。

あまり神経質になる必要はありませんが、妊活の食事管理の参考として、妊活中に避けるべきものや、控えたほうがいいものなど、妊活中に注意すべき食べ物について解説します。

妊活中に避けるべき食べ物

サーモンとチーズ

生肉・レアステーキ・生ハム・ナチュラルチーズ・スモークサーモン

妊活中は健康であれば禁止すべき食べ物はとくにありません。ただし、万が一、食中毒を起こすと、胎児に大きな影響を与える食べ物については、妊活中の女性は避けたほうがいいでしょう。

生肉やレアステーキなど加熱が不十分な肉[女性]

生肉や加熱が不十分な肉には、寄生虫の「トキソプラズマ」が付着している可能性があります。最近はお店で生肉が提供されることは無くなりましたが、肉の外側だけを焼いたレアステーキを食べても感染する危険性があります。

妊娠中に初めて感染すると、胎児が脳や目に障害を持つ恐れがあります。妊娠中はもちろん、妊娠する可能性のある妊活中も食べるのは避けるべきです。

自宅で料理をする時や、バーベキューの時なども、肉はしっかりと焼いてから食べるようにして下さい。

生ハム・ナチュラルチーズ・スモークサーモン[女性]

欧米では、生ハムや未殺菌乳から作られたナチュラルチーズ、スモークサーモンなどで「リステリア」による集団食中毒が発生しています。

日本ではまだ報告例はありませんが、妊娠中に感染すると胎児に影響が出る恐れがあるため、妊活中の女性も食べ方に注意が必要です。

チーズは殺菌加工をしているプロセスチーズを選んで食べるようにしましょう。

妊活中になるべく控えたい食べ物

マーガリン・清涼飲料水・インスタント食品・コーヒー

妊活中に食べてもいいけれど、なるべく控えたほうがいい食べ物や飲み物について説明します。

トランス脂肪酸を多く含む食品

マーガリン、市販の洋菓子、スナック菓子など[男女共通]

トランス脂肪酸は、健康へ害を及ぼす危険性が高いとして、諸外国では使用が制限されていますが、日本ではまだ規制はありません。

多くとりすぎると、心臓病のリスクが高まるうえに、卵巣機能の低下も引き起こすといわれています。

トランス脂肪酸は安い油に使用されることが多く、市販の洋菓子やスナック菓子などの原料となるマーガリン、ショートニング、ファットスプレッドなどに含まれています。

ファーストフードやスーパーのお惣菜の揚げ物などにも、使われている場合があります。

これらの食べ物を完全にやめるのは難しいですが、妊活中はなるべく控えましょう。

糖分の多い飲み物や食べ物

ジュース・菓子パン・市販の洋菓子など[男女共通]

妊活中に糖分を摂りすぎると、太りやすくなるだけでなく、ホルモンバランスにも悪影響をおよぼし、排卵障害につながる可能性があります。

肥満は男女ともに妊活のさまたげになるうえに、血糖値の急激な変動で、イライラして精神が不安定になることも。

ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンクなどの加糖飲料や甘いパン、お菓子は飲みすぎ食べすぎに気をつけましょう。

インスタント食品・ファーストフード [男女共通]

カップラーメンなどのインスタント食品やファーストフードは、手軽で便利ですが、塩分や食品添加物をはじめ、トランス脂肪酸も多く含まれていることがあります。

たまに食べる程度ならいいですが、頻繁になると、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなります。男女ともに健康なからだを作るための栄養が十分にとれないので、妊活中は、できるだけ避ける意識を持つようにしましょう。

コーヒーなどカフェインを含む飲み物 [女性]

コーヒーは、抗酸化作用が高く、若返り(アンチエイジング)効果がありますが、一方でカフェインが多いので、妊活中には注意が必要です。

カフェインの摂取許容量について、日本では明確な基準はありませんが、世界保健機関(WHO)では、妊婦が1日あたり300㎎を超えるカフェインを摂ると流産などのリスクがあるとして、摂取を制限するよう注意をうながしています。

[飲料のカフェイン含有量(100ml中)]

 コーヒー  60㎎
 紅茶  30㎎
 煎茶  20㎎
 エナジードリンク、眠気覚まし飲料  32~300㎎

カフェインの摂取は、少量なら問題ありませんが、1日にコーヒー5杯以上飲むのは危険です。妊活中から、コーヒーは1日1~2杯程度に控えるか、カフェインレスコーヒーやたんぽぽコーヒー、ルイボスティなど、カフェインフリーの飲み物に、慣れておくといいでしょう。

エナジードリンクや眠気覚まし飲料などには、カフェインが大量に入っていることがあるので、妊活中の利用は控えて下さい。

(カフェイン摂取基準、カフェイン含有量については2018年12月5日読売新聞記事より抜粋)

冷たい飲み物や食べ物 [男女共通]

冷えは妊活の大敵です。女性にはとくに影響が大きいですが、男性も冷えによって血行が悪くなると機能低下によって妊娠力が下がります。

冷たいジュースやアイスクリーム、かき氷など、体を冷やすものはなるべく控えて、夏でも飲み物はできるだけ常温のものを飲むように心がけましょう。

妊活中に食べ方に気をつける食べ物(一部の魚介類)

妊活中の魚は食べ方に気をつける

妊活中に食べ方に気をつけたほうがいい一部の魚介類について説明します。

めかじき・黒マグロ・金目鯛などの魚(水銀を含んでいる魚)[女性]

魚は、良質なたんぱく質や不飽和脂肪酸が豊富で、妊活中にはしっかり摂りたい食材です。

ただし、魚のなかには、自然界にある水銀が高い濃度で含まれているものがあります。

こういった魚を食べすぎると、赤ちゃんの発育に影響するおそれがあります。

妊活中はそんなに神経質になる必要はありませんが、いつ妊娠してもいいように、一部の魚については食べすぎに気をつけましょう。

[食べる量に注意する魚]

1週間に切り身1切れ(約80g)に控える魚

金目鯛・メカジキ・黒マグロ・メバチなど

1週間に切り身2切れ(約160g)に控える魚

キダイ・マカジキ・南マグロなど

詳細は、厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」でご確認下さい。

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf

妊活中に減らしていくべき飲み物

妊活中のお酒は飲み過ぎNG

妊活中に減らしていったほうがいいアルコール飲料について説明します。

アルコール飲料 [男女共通]

妊娠中にアルコールを飲むと、胎児に悪影響があるため、妊娠したらビールやワインなどのアルコール飲料は止めなくてはいけません。

妊活中は、飲んでもいいですが、アルコールが好きで習慣になっている人は、妊娠したからすぐにやめるのは難しいかもしれないので、なるべく飲む量を減らしていきましょう。

男性は、女性の排卵日のタイミングでは、深酒をしないようにして下さい。

妊活中は、男女ともに、アルコールを飲む量やタイミングに注意して、楽しむ程度にしましょう。

まとめ

妊活中の食べ物で禁止したほうがいいものや注意すべきものは、おわかりいただけましたか?

妊活の期間は、今までの食事を見直すとてもよいきっかけです。

今回取り上げた食べ物のなかで、食べすぎていたものがあれば、少しずつでも減らしていきましょう。

今から良い食習慣が身につけば、妊娠中や育児中にも大いに役立ちます。

妊活中に注意すべき食べ物をオフする習慣をつけて、妊娠しやすい健康なからだづくりをしていきましょう。

参考URL

リステリアによる食中毒

厚生労働省「リステリアによる食中毒」

すぐにわかるトランス脂肪酸:農林水産省

農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」

食品にはどうしてトランス脂肪酸が含まれているの?

トランス脂肪酸が体に悪いって本当?

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf

厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」

参考書籍

・株式会社KADOKAWA「妊娠できる体は食から 30代からの妊活食」

管理栄養士 岡田明子著

・日東書院「パートナーと考える出産 妊活バイブル」

医学博士浜松町ハマサイトクリニック院長 吉形珠美著

執筆者:管理栄養士 山田 由紀子