普通の体温計で基礎体温は測れる?

基礎体温は、生理周期やホルモンバランスを把握することが出来ます。妊活中はより正確な排卵日を知るために検温している方も多いと思います。

基礎体温から排卵日や生理日を予測する「オギノ式」という計算方法は、1924年に荻野久作氏が発表した理論で現在でも使われています。

基礎体温は普通の体温計でも測れる?

基礎体温は普通の体温計でも測れる?
正確な基礎体温を知るためには、婦人体温計が必要ですが、普通の体温計よりも価格が高いものが多く、わざわざ買うのはもったいないですよね。

結論から言うと、普通の体温計でも基礎体温は測れます。実験した様子はページの下にあります。

一般的な体温計は、36.7℃など0.1の位までしか表示されませんが、婦人体温計では36.72℃など0.01の位まで細かく表示されます。

0.01の位まで測るメリットもありますが、より正確な排卵日を予測するためには、

「予測値」と「実測値」の違いを知る必要があります。

予測値と実測値って何が違うの?

基礎体温は基本的に5分間、舌下で検温する「実測値」を使います。

検温中に寝てしまって口から外れてしまうこともあり、「5分は長い」と感じる方は多いと思います。

検温に時間がかかる理由は、測定部が体の内部と同じぐらいになった温度(平衡温)に到達するまでに5分くらいかかるからです。

短時間で検温ができる体温計は、「予測値」を採用しています。

予測値とは、平衡温を短時間で分析計算した数値のこと。

多くの人の体温データから、10分後の平衡温がどのくらいになるかを統計的に算出しています。

婦人体温計でも予測値が測れるものがありますが、実測値と予測値では若干のズレが生じることがあります。

店頭に来られたお客様で、基礎体温がガタガタで病院で見せたら、「きちんと測ってますか?」と言われ、「10秒くらいで測れる体温計を使ってます」と答えたら、先生から「きちんと5分間測ってください」と言われたそうです。

婦人体温計でせっかく0.01まで細かく測っているのに、実測値と予測値にズレがあると気になりますよね。

婦人体温計で詳細に測るのも大切ですが、普通の体温計の実測モードの方がより正確です。

もっと言えば、婦人体温計の実測モードで0.01の位まで測れば完璧といえますね。

では、普通の体温計と、婦人体温計では、グラフにどれくらい差があるのでしょうか?

普通の体温計で基礎体温を測ってグラフ化してみた!

普通の体温計と婦人体温計とでは、基礎体温にどれくらい差があるのでしょうか?

実際に両方で測ってそれぞれをグラフにしてみました。

普通の体温計との比較

少し見にくいかもしれませんが、上のグラフが婦人体温計で検温した0.01の位の数値です。

下のグラフが一般的な体温計で検温した0.1の位の数値です。

画像を見てのとおり、ほとんど変わりません!(笑)

婦人体温計では、少数第2位の細かいところまで書き込んでいるわけですから、大きな違いが出ると思っていましたが、

普通の体温計でも基礎体温のグラフにさほど変化がないことが分かりました。

グラフにすると数値に差はありませんでしたが、排卵日などは0.01の微妙な体温の変化が気になりますので、婦人体温計で検温する方が安心感がありますね。

基礎体温は脇の下で測ってもいい?

基礎体温といえば口の中で測るのが基本ですが、脇に挟んで測ってはダメなのでしょうか?

体温計メーカーのオムロンさんに問い合わせてみました。

質問:「測定部位によって体温に違いはあるんですか?」

オムロン:『弊社での調査では、「耳>口中>脇の下」の順番で、脇よりも口中の検温値が高い人が多いことがわかりました。人によって異なりますが、脇と口中では約0.5℃程度値に差がある場合があります。』

質問:「どうして基礎体温は専用の婦人体温計でなければダメなのですか?」

オムロン:『基礎体温は微妙な体温差が重要になるため、小数点第2位まで測れる婦人体温計が必要です。』

という回答でした。

基礎体温を口の中で測る理由は、脇よりも体温が高く外気に影響されにくいからなのですね。

より正確な基礎体温を知るためには、脇ではなく舌下で測ることが大切ですね。

まとめ

基礎体温は普通の体温計でも婦人体温計でもグラフにすれば見た目の差はありませんでしたが、細かい体温の動きを知るには婦人体温計を使うのがおすすめです。

より正確な基礎体温を知るためには、予測値よりも実測値で検温し、外気に影響されない口の中(舌下)の方が実体温に近くなります。

毎朝5分間の検温は大変ですが、基礎体温を正確に測ることで、排卵日や生理周期、ホルモンのリズムを知ることが出来ます。

舌下に体温計を入れても途中で口をあけてしまうと正確ではなくなるので、舌の下に体温計を入れたら挟み込むように口をとじてしっかり5分間(体温計による)測るのがポイントです。