こんにちは。不妊カウンセラー、サプリメントアドバイザーの長田かおりです。
コエンザイムQ10が妊活にどのような影響をもたらすのか、分かりやすく解説していきますので妊活中の方は参考にしてくださいね。
コエンザイムQ10は不妊に効果あり?
コエンザイムQ10は、私たちの細胞の一つ一つに存在している補酵素で、ミトコンドリアのエネルギー産生の手助けをしています。
ミトコンドリアとは、細胞内でエネルギーを産生している小器官の一つで、ミトコンドリアの機能が低下すると、エネルギー産生量が下がり、老化の元となる活性酸素が増えてしまいます。
不妊原因の一つでもある卵子の老化は、ミトコンドリアの機能低下が関係していると言われています。
コエンザイムQ10の役割については幅広い分野で研究され、卵子の成熟率と染色体異常の割合を調べた論文も発表されました。
研究では38歳以上の女性45名と、30歳以下の18名を対象に、コエンザイムQ10を添加した培養液を使って未成熟の卵子を培養観察しました。
コエンザイムQ10を添加した38歳以上の卵子の成熟率は82.6%、添加なしは63%という結果が出ました。
コエンザイムQ10を添加した卵子の染色体異常率は36.8%に低下しました。
30歳以下の女性では、コエンザイムQ10の添加の有無による卵子の成熟率、染色体異常率もほとんど変わりませんでした。
この研究で、コエンザイムQ10は高齢女性の卵子の成熟率を高め、染色体異常率を下げる効果が認められたことになります。
コエンザイムQ10は男性不妊にも効果あり?
コエンザイムQ10のトップメーカーであるカネカ社では、特発性男性不妊症228名を対象に、還元型コエンザイムQ10 200mgを26週間摂取したグループと摂取しなかったグループに分けて検証を行いました。
還元型コエンザイムQ10を摂取したグループは、精子の数、濃度、動き、形態のいずれの数値も改善される結果となったのです!
これまで精子に効果的な栄養素といえば、亜鉛やアミノ酸、葉酸がメジャーでしたが、これからの妊活は夫婦でコエンザイムQ10を摂取するのが当たり前になるかもしれませんね。
コエンザイムQ10を効果的に補うためには?
年齢とともに衰えていくミトコンドリアの機能を保つためには、コエンザイムQ10を積極的に補う必要があります。
1日の摂取量の上限はとくに定められていませんが、日本コエンザイムQ10協会では、1日100mgの摂取を推奨しています。
コエンザイムQ10を多く含む食品は下記の通りです。
食品100mgあたりの含有量
イワシ・・・6mg
サバ・・・4mg
牛肉・・・3mg
ピーナッツ・・・3mg
ブロッコリー・・・1mg
※参考:Kamei,M et al.(1986)
食品からでは1日に5mg程度しか補えないため、健康維持を目的とするにはサプリメントを活用するのが効率的といえます。
ここがポイント!酸化型と還元型で吸収が違う!
コエンザイムQ10は、酸化型と還元型の2つの種類があります。
酸化型は体内で一度還元型に変換してから吸収されるため、すべてが吸収されないことがあります。
年齢とともに還元する力が衰えると、吸収率は最大6倍もの個人差があると言われています。
せっかくサプリメントを飲んでも、吸収に差が出てしまうのはもったいないですね。
コエンザイムQ10のサプリメントを選ぶときは、
酸化型ではなく、ダイレクトに吸収される『還元型』を選ぶのがおすすめです。
コエンザイムQ10は酸化しやすいため、遮光性のあるソフトカプセルタイプが主に使われ、吸収性に優れていることが分かっています。
最強コンビのPQQでパワーアップ!
コエンザイムQ10は、PQQ (ピロロキノリンキノン)と組み合わせて摂取することで相乗効果が期待できます。
PQQは、エネルギーを生み出すミトコンドリアを増やし活性化する働きがあり、
コエンザイムQ10は、PQQで増えたミトコンドリアへ栄養素を届けたり酸化を防ぐ働きがあります。
妊活のさらなる質の向上のためには、PQQとコエンザイムQ10の最強コンビを味方にするのがベスト!
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まとめ
コエンザイムQ10は、不妊治療の現場でも効果が期待されています。
30代、40代の妊活や、原因が分からず結果がでないご夫婦にとって、コエンザイムQ10が助けになるかもしれません。
ミトコンドリアを元気にして年齢に負けない体を目指しましょう。