桑の葉茶は他の一般的なお茶と比べて、鉄分、カルシウム、亜鉛などのミネラル類が多く含まれていることから、健康効果が高いお茶として注目されています。
桑の葉茶は薬局などでも売られていますが、漢方などに分類されているため、飲んだことがないという方も多いと思います。
漢方と聞くと、苦そうとか美味しくなさそうと思われる方も多いかもしれませんが、桑の葉茶は香りもよく、とってもおいしいんです。しかも、妊活中に必要な栄養素がたくさん含まれています。
ここでは、桑の葉の歴史や妊活にどう良いのか、栄養や効果について詳しくご紹介したいと思います。
桑の葉茶ってどんなお茶?
桑の葉茶は、その名の通り桑の木の葉からできたお茶です。
桑(クワ)という名前は、カイコが食う葉(くうは)がなまってクワになったと言われています。
桑の木は古くから蚕(カイコ)のエサとして利用されていたため、養蚕業が盛んだった頃は地方のいたるところに桑畑がありました。
桑畑は昔の日本ではよくある風景だったことから、日本の地図記号にも採用されていましたが、現在では外国産の化学繊維の輸入などの影響で絹の生産が減少したため、桑畑は減少し2013年11月以降に発行された地形図では「桑畑」の記号が廃止になってしまったそうです。
中国ではもっとも古い薬物書「神農本草経」の中で桑が生薬としても紹介され、血流の改善や滋養強壮に効果があるとして愛飲されてきました。
日本でも鎌倉時代から桑の葉茶を「不老長寿の薬」と呼んでいたそうですので、とても古い時代から健康維持のために桑の葉茶が利用されていたんですね。
桑の葉(英語名でマルベリーリーフ)はハーブティーとしても利用されています。
ハーブがお好きな方はマルベリーティーの名称のほうが馴染みがあるかもしれませんね。
桑の葉茶が妊活に良い理由
桑の葉茶には妊活中に必要な栄養素が多く含まれています。
体に良いことで知られる青汁の主原料というとケールが有名ですが、桑の葉にはケールに負けない栄養成分が含まれていることが分かり、最近では青汁の原料としても使用されています。
桑の葉の抗酸化作用
ビタミンEは抗酸化作用が高く、着床に必要な黄体ホルモンの材料になるため、妊活中には欠かせないビタミンのひとつですが、桑の葉にはケールの約10倍のビタミンEが含まれています。
また、桑の葉に含まれるフラボノイドは体のサビとも言われる活性酸素を除去してくれる働きがあり、細胞の老化を防いで若々しく質の高い卵子を育ててくれます。
桑の葉はリラックス効果も
桑の葉に含まれるカルシウムは一般的なお茶の5~6倍、鉄分は2倍含まれていて、貧血の予防や、自律神経の乱れからくるイライラの改善など、女性に嬉しい効果が期待できます。
さらにもうひとつ注目の栄養素がGABA(γ-アミノ酸)です。
脳内の血流を活発にして、ストレスやうつの予防、記憶力アップ、脳の活性化など、神経系への効果が期待できます。
精神を安定させるリラックス効果以外にも、血圧の上昇を抑制する効果もあり、高血圧の予防にも役立つといわれています。
妊活中のストレスは、ホルモンの分泌にも影響しますので、リラックス効果のあるGABAを取り入れて心身ともに健康をキープしたいですね。
桑の葉茶のダイエット効果
桑の葉の魅力を語るうえてわ欠かせない栄養素が、「DNJ」という成分です。
DNJは、デオキシノジリマイシンの略で桑の葉茶にしか存在しない特有の成分です。
食事から摂った糖質は、αグルコシターゼという酵素の働きによって体内に吸収されますが、DNJがこのαグルコシダーゼの働きを弱め、糖質の吸収を緩やかにしてくれるため、ダイエット効果も期待できます。
桑の葉茶は食物繊維が豊富ですので、腸内環境を整え便秘予防にも役立ちます。
男性の妊活にも桑の葉が効果的
桑の葉には亜鉛が多く含まれています。亜鉛は精子の生成に必要不可欠ですが、食事で補うのが難しいため、手軽に飲める桑の葉茶は男性におすすめと言えます。
ノンカフェインの桑の葉茶
妊活中は、コーヒーや緑茶、ウーロン茶などのカフェインは控えたほうがよいといわれていますが、それはカフェインの血管収縮作用により冷えの原因になることや、ビタミンやミネラルを大量に消費してしまうからです。
桑の葉茶にはカフェインが含まれていないため、妊活中も安心して飲むことができます。
桑の葉茶は、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類も豊富で、妊活中だけでなく妊娠中の水分補給としてもおすすめの健康茶です。
桑の葉のアミノ酸はすごい!
食品のたんぱく質の栄養価を示す方法に「 アミノ酸スコア 」がありますが、その値が100に近いほど良質のたんぱく質とされています。
桑の葉のアミノ酸スコアは、植物性食品の中でも最も高い大豆に匹敵する値を示しています。
さらに桑の葉茶に含まれる必須アミノ酸のバランスは、人がもっているものと非常に良く似ているともいわれていますので、良質なたんぱく質を効率的に摂るには最適な食品といえます。
桑の葉茶ってどんな味?桑の葉ほうじ茶を飲んでみた感想
桑の葉茶には、緑茶タイプとほうじ茶タイプがありますが、今回はほうじ茶タイプを紹介します。
桑の葉ほうじ茶はその名の通り、桑の葉を焙じて作ったお茶で、色はウーロン茶や一般的なほうじ茶と同じ茶褐色をしています。
味も一般的なほうじ茶に似ていて、香ばしくてほんのり甘さを感じる優しい味わいです。
まとめ
ノンカフェインの桑の葉茶は、妊活中から妊娠後も安心して飲めるおすすめの健康茶です。
桑の葉の抗酸化作用や抗ストレス、ダイエットや血流改善など様々な効果は、これからますます注目されることでしょう。