基礎体温をつけていて、「高温期が短い」「高温期が続かない」「高温期が低温期の体温とあまり変わらない」と不安になったことはありませんか?
高温期は10日以上続いた方がいいと言われていますが、出来れば12~14日続くことが理想です。
高温期の理想のかたち
理想的な高温期の特徴をあげてみましょう。
- 低温期の平均値より0.3~0.5度、ググッとあがる
- 12日以上14日程度、高温期が続く
高温期においてこの2点をクリアするためには、排卵がきちんと行われ、黄体ホルモンがしっかり分泌されていることが条件です。
高温期の体温が低いのは、不妊と関係ない?
「高温期も全体的な体温も低い」
「低温期と高温期の体温があまり変わらない」
「高温期が短い」
どれも気になるポイントですが、似ているようで別のお悩みです。改善した方がいいのは、「低温期と高温期の体温があまり変わらない」ことと「高温期が短い」こと。
高温期と聞くと36.5度以上をイメージすることが多いでしょうか。もともと低体温で、高温期に移行しても36.2~36.4度くらいと心配される方も見えます。
確かにポカポカな体は赤ちゃんを迎えやすいため、冷えを感じている方は改善した方がいいでしょう。でも、全体的な基礎体温が低いことよりも、
低温期と高温期の差があって、排卵と高温期への移行がスムーズか
というところがポイントです。
高温期の体温が低くても、低温期の平均体温からグッと0.3度上がっていれば、大丈夫。ちゃんと排卵を終えて高温期が来ています。そのまま高温期が14日続けば、特に問題はないと思っていいでしょう。
実は低温期にあった?高温期が上がりきらない原因とは?
高温期がぐっと上がらない原因が、低温期に潜んでいることもあるんです。
低温期と変わらない体温ということは、無排卵や未熟な卵子のまま排卵してしまい、排卵後に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されていない可能性があります。
『元気な卵胞が育たない⇒排卵が起こらない⇒高温期がこない』という状態が起こるんです。
きちんと高温期がくるのは、卵が育って排卵されることが大前提。
店頭でお話を伺っていても、低温期はいまいちだけど高温期はバッチリ!という方はあまりいません。高温期を整えるには、低温期から見直した方が近道なこともあります。
高温期が短い原因とは
「高温期が短い」というお悩みは、生殖機能が弱まっていて黄体ホルモンの分泌量が少ない、黄体ホルモンを受容する細胞の元気がないなど、高温期を維持する黄体ホルモンの分泌が滞って高温期が短い可能性があります。
黄体ホルモンの分泌が少ないと、子宮内膜を厚く柔らかくして着床を助けるという役割を果たせずに、高温期が続かないまま生理がきます。
また、生理周期が28日もしくは30日程度で整っていると思っていても、低温期が20日と長く、高温期が8日と短くてホルモンバランスが乱れている可能性も。
生理周期が短い方も、28~30日で生理周期が問題ないのになかなか妊娠しないという方も、妊活中は基礎体温からホルモン力をチェックしてみましょう。
基礎体温からホルモン力を知る!大人可愛い基礎体温表はこちら>>
高温期が短い、低温期が続く~基礎体温をチェック!
- 低温期とほぼ同じ体温で上下する
- 高温期への移行に2~3日かかる
- 高温期が短い、10日以下で終わってしまう
基礎体温のグラフが、上記のような状態を示している場合は要注意。
排卵がうまくいっていない、黄体ホルモンの分泌が少ない、または分泌されていないため、子宮内膜が厚くふかふかにならない(受精卵が着床できない!)というサイクルが起きていることが考えられます。
では、原因のもとはなんでしょうか。
原因1.過度なストレス
ホルモンをコントロールする視床下部は、自律神経と免疫のコントロールセンターでもあります。自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れにつながります。
ストレスがかかっているときの体は、“戦うか逃げるか”という戦闘態勢。自分が生き残るのに必死な状態です。そのような状態では、安心して赤ちゃんを育むことができないと脳が判断してしまうのでしょう。
自律神経は体温も調節にも一役買います。高温期が短いことも含め、基礎体温が安定しないときには、大きなストレスがかかっていないか、確認するといいかもしれません。
ストレスゼロの生活は難しいですが、妊活中や不妊治療中は自分のストレスに気が付きにくく、気づいた時には心が疲れていることがほとんどです。
ストレスに気づいてそれを認めるだけでも楽になります。スケジュール調整をして、体と心を休める時間をとってくださいね。
原因2.急激なダイエットや肥満
ダイエットや肥満が、ホルモンバランスを崩しやすいのはなぜでしょう。
急激なダイエットで摂取する栄養が少なくなると、脳が危機感を感じます。体はまずは生きていくのに必要な器官から栄養を与えます。
自分の体を最優先にするため、生殖器は後回しに。好きなものを食べて起こる肥満も、栄養が偏り、ビタミンやミネラルが足りないと、同じように生殖器までは手が回らなくなるのです。
ダイエットも肥満も身体の中では“飢餓”と認識。飢餓は動物にとって最大のストレスですから、脳は体を守るのに必死になってしまいます。
ダイエットは基礎体温を下げることもありますから、妊活中の過度なダイエットはやめましょう。ゆっくり体重を落とすことでリバウンドもしにくくなります。
栄養が行き渡らないだけでなく、脳はホルモン分泌を司る場所。ストレスを受けた脳は、卵巣に必要なホルモンを出せ!という指令も滞りがちになります。
原因3.高プロラクチン血症
プロラクチンとは、本来は産後に多く分泌されるホルモンです。母乳を出したり、子宮収縮をうながして産後の体調を早く回復させる力を持ちます。
もう一つ、産後すぐに妊娠しないよう排卵を抑制する働きも。排卵が起こらないため、黄体ホルモンが働かず、基礎体温が低いままになります。
高温期と低温期の差がない、高温期が短いと思ったら、どうすればいい?
高温期がない原因は、多嚢胞性卵巣症候群などの排卵障害の場合もあります。高温期があるかないかはっきり判らないときは、基礎体温表を持って婦人科を受診しましょう。
高温期に黄体ホルモンがどうして出ていないか、はっきりした原因を知ることです。治療が必要なものは治療し、自分の力で改善できるものは改善に尽くしましょう。
生活習慣の見直しと必須栄養素で理想の高温期へ
高温期がない、短いと思ったら、ココロとカラダを見つめ直しましょう。適度な運動をし、食生活を整えることがもっとも大事です。ストレスが原因と思われるときは、リラックスとリフレッシュできることを見つけましょう。
さらに高温期の改善ポイントは、必要な栄養素を効率的に摂ること
必要な栄養素はビタミンE!ビタミンEは黄体ホルモンの原料になります。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで効率的に働きます。毎日の生活の中でビタミンの組み合わせを考えるのは大変です。手軽に補えるサプリメントをうまく利用するのもひとつですね。