ハーブの基礎知識(効果・歴史・種類)

店長の長田です。最近では専門店やネットで手軽にハーブティーが買えるようになり、家でハーブティーを楽しむ女性が増えています。とくに妊活中や妊娠中はカフェインの入っていないハーブティーの人気が高まっています。

当店でも妊活中の飲み物として無添加のハーブティーが好評ですが、なかにはハーブティーは癖があってちょっと苦手、という方もいらっしゃいます。西洋のハーブは草花の香りが強く独特の風味や味を感じますよね。でもその香りや自然の薬効成分が昔から私たちの心と体を癒してきました。

ハーブの歴史

ハーブの歴史
ハーブの語源はラテン語のヘルバからきていて、「緑の草」という意味があります。料理に添えたり、病気やケガのときに煎じて飲んだり、海外では一般的に使われてきました。

日本でも、どくだみやヨモギなどは薬草として馴染みがありますね。ヨモギは殺菌や炎症を抑えることから、昔は揉んだヨモギを傷口に直接つけて薬代わりに使っていました。

また、韓国ではヨモギの薬効成分を下半身に直接当てる「よもぎ蒸し」が600年も前から伝わり、妊活にも繋がる子宮環境の改善に取り入れられています。

医学の祖といわれるヒポクラテスがまとめた医学書には、当時6000種類以上ある植物の中からショウガやバジルなど効果のある薬草だけを選び出し薬効を記しています。

大昔の研究者たちによって明らかになったハーブの薬理や治療法は、現代医学のルーツともいえます。同じハーブでも海外原産のものと国内原産のものでは育った気候や風土、土壌が違うためその効果や成分も少しずつ違います。

日本特有のハーブの代表といえば、ワサビ、ミョウガ、サンショウ、ショウガ、シソなどがあります。中でも体を内側から温めてくれるショウガは、妊活におすすめの食品としても知られています。

世界的に使われているハーブは、フェンネル、バジル、ローズマリー、ラベンダーなどの外来種です。外来種のハーブが日本に入ってきたのは、明治時代といわれていますが、その頃の日本の食習慣は、米、魚、野菜が中心でしたので、庶民にとって海外のハーブを楽しむというような文化はほとんど受け入れられませんでした。

昭和に入るころには、パセリやクレソンなどが洋食のつけ合わせに使われるようになりますが、ハーブティーやアロマが一般的になったのは2000年以降、本当にここ最近の話なんです。

注目されているハーブのメディカルパワーとは?

注目されているハーブのメディカルパワー
薬効のあるメディカルハーブといっても特別な薬草だけではありません。ニンニク、ショウガ、タマネギ、リンゴも元をたどればメディカルハーブの一つ。今では妊活や妊娠に良い飲み物として知られるたんぽぽ茶も昔から薬草茶として飲まれてきました。

化学的に合成された薬品に比べ、ハーブは自然な形で吸収されるため副作用や薬害の心配がなく、人間が本来持っている治癒力を引き出してくれる力があります。妊娠してからも慌てないように、妊活中は自然のもので体を整えたいですよね。

ハーブの優れた薬効は科学的にまだ証明されていませんが人間的には様々に実証されています。ハーブを取り入れたことによって肌荒れがよくなった、お通じがよくなった、咳が止まったなど世界各国でハーブのメディカルパワーが実証されています。

ハーブ療法ってなに?

ヨーロッパで一般的なハーブ療法は、「病気を治すのではなく人間を治す」という癒し的な考え方を中心にしていますが、それによく似ているのが中国漢方の「病気を未然に防ぐ」という考え方。

どちらも病気を治療するというより、病気を未然に防ぎ人間がもつ治癒力に焦点をあてています。病気を未然に防ぎ若々しく元気に過ごすことが本当の意味での健康といえるかもしれませんね。

ハーブ療法には、煎じて飲んだり、生のまま食べたり、料理に用いたりと様々ですが、ハーブティーを取り入れることで私たちでも簡単に実践できます。

妊活中にも嬉しい効能を持ったハーブもたくさんありますので、まずはそれぞれが持つハーブの薬効を調べ、抱えている悩みや症状にあうハーブを見つけます。

1種類のハーブを使うよりも数種類のハーブをブレンドしたほうが飲みやすく、それぞれが持つ成分を効果的に取り入れることができるのでおすすめです。

  • 冷えが気になるときは温めパワーのハーブ

エルダーフラワー、エキナセアリー、アンゼリカ、シナモン、リンデン、ヨモギ、マジョラム、カモミールローマンなど。

  • 生理痛やホルモンバランスはリズムを整えるハーブ

チェストツリー、ヤロフラワー、レディースマントル、サフラワー、フェンネル、セージ、アンゼリカなど。

  • 疲れた頭をすっきりさせたいときのハーブ

セントジョーンズワート、パッションフラワー、オレンジピールビター、スペアミント、カモミールジャーマンなど。

  • 気持ちをゆったりリラックスさせたいときのハーブ

ラベンダー、ペパーミント、レモンバーム、マローブルーなど。

ハーブの香りに秘められたパワー

ハーブの香りに秘められたパワー
ハーブの薬効や香りの効果が注目されてからは、日本でもハーブティーが飲まれるようになりました。

ハーブの香りを楽しむといえばアロマオイルですが、ハーブから抽出したアロマ精油は、香水、入浴剤、化粧品、シャンプー、洗剤など、アロマの香りに触れない日はないといってもいいくらいですね。

香水(パルファンやパフューム)の語源は、香りのある木やスパイス、ハーブを燃やという意味のラテン語、フマーレ(煙らせる)からきています。

コショウ、ナツメグ、ターメリックなどのスパイスもハーブの一つですが、ハーブは茎と葉を使うもの、スパイスは種や実など茎と葉以外を使うもの、という定義で分類されています。

ハーブが持つ香りの効果は様々ありますが、それぞれの香りを嗅ぐことによって鼻から脳に刺激が与えられ、食欲がそそられたり、リラックスしたり、頭がすっきりするなど、自律神経やホルモン系に影響を与えます。

とくに匂いを嗅いだあとは脳の血流量が増え、記憶中枢の海馬の活動が活発になることがわかっています。

匂いで記憶力が高まるといった実験では結果が実証され、今後はハーブの香りによる認知症予防にも大きな期待がよせられています。

まとめ

ハーブの歴史は古いですが、今も昔も体調を整えたい人々の気持ちは同じです。ハーブ療法は日本ではまだメジャーとはいえませんが、ハーブが身近にある暮らしは知らず知らずのうちに健康に導いてくれます。

花の香りを嗅いだとき多くの人が幸せな気持ちになります。あらゆる香りが溢れ刺激に慣れてしまっている現代では、良質な香りに触れ癒される時間が必要なのかもしれません。

たまには熱々のハーブティーをゆっくり味わいながら、ハーブが持つメディカルパワーで、妊活や不妊治療で疲れた体や心を癒して感じてほしいと思います。