不妊治療の助成金の対象者・限度額・必要書類を解説

不妊治療とは切っても切り離せないお金の悩み。不妊治療における助成金制度の内容が平成28年に変更されたことで、助成金っていくらもらえるの?どんな風に助成制度が変わったの?と、不妊治療における負担額について改めて注目されています。

見直されて決まったことは仕方のないことですが、自分は助成金を受け取る対象になるのか国の制度だけでなく他に受けられる助成制度があるのかが知りたいところですよね。

助成金を受け取るためにはどうしたらいいのでしょうか。ハッピーブレッシングで実施した助成金に関するアンケート結果も参考にしてください。

【アンケートの実施方法】

googleのアンケートフォームのツールを使って実施

妊活に関するアンケートURL

【アンケートを実施した期間】

2016年11月13日~2016年12月13日

【アンケート対象者】

妊活専門店ハッピーブレッシングの利用者362人

※転載やリンクは必ず❝妊活専門店ハッピーブレッシング調べ❞としてください。

治療費の悩みは私だけじゃない!

体外受精からは自由診療となるため、高額な医療費を自己負担することになります。

ハッピーブレッシングで調査した「不妊治療の保険適応は必要?」というアンケートで、99%の方が「不妊治療を保険適応して欲しいまたは治療内容によって適応すべき」と回答しています。

不妊治療の保険適応は必要?

体外受精は30~50万円にプラスしてその他治療費がかかるため、少しでも保険で賄えたら嬉しいという切実なアンケート結果になりました。

不妊治療費を手助けできるようにと、都道府県、指定都市、中核市では指定医療機関で受けた体外受精、顕微授精にかかるお金を一部助成する「特定不妊治療費助成制度」を実施しています。

助成金は申請すれば誰でも受け取れるわけではなく、助成対象や所得制限などいくつかの決まりがあります。

助成金がもらえる対象は?

助成金がもらえる対象は?

助成金をもらうにはいくつかの条件をクリアしなければなりません。助成対象はこちらです。

・特定不妊治療以外での妊娠は見込めない、または極めて可能性が低いと指定医療機関の医師に診断を受けている

・指定医療機関で受けた特定不妊治療(体外受精・顕微授精)に限る

・治療開始時点で法律上婚姻している夫婦であること

・申請時点で夫か妻の一方、または両方が申請地域に住所を有していること

夫婦合算の所得金額が730万円未満であること

・治療開始時点で妻の年齢が43歳未満であること

ちなみにですが、平成28年4月から助成内容が変更されました。

この中で変更されたのは年齢制限が設けられたこと。それまでは助成回数に制限はあったものの、年齢については制限なしでした。

少子化対策によって設けられた制度ですが、晩婚化や日本は体外受精の治療率が高く思ったより財源がかかったこと、40代に入ると妊娠率が下がるために制限が設けられたようです。

自費であれば年齢に関係なく不妊治療は受けられますが、治療費を捻出しながらの不妊治療は並大抵のことではありません。

年齢制限を見直してほしい、という声が今でも上がっているのも事実です。

夫婦合算で730万円という所得制限は変わっていませんが、マイホームの計画など将来を見据えて共働きをしても、所得制限を越えてしまえば助成金の対象とならず、思うように貯蓄できないといった声もあります。

また、首都圏と地方では所得や生活費の違いもあり、生活環境によって治療費の負担はずいぶん変わってきます。

助成金制度を活用するために、まずは所得の確認が優先になります。

所得の算出方法は県ごとのホームページに掲載されていることがあるので、参考にしてみてくださいね。

市町村独自の助成制度って?

市町村独自の助成制度って?

特定不妊治療費助成制度以外に、独自の助成制度を持つ自治体もあります。ちなみに私が住んでいる愛知県岡崎市では、補助額と期間についてこんな制度が設けられています。

1夫婦につき、自己負担額の2分の1の額で、年度に4万5千円まで(補助を開始した診療月から継続する2年間)。ただし、前の住所地(県内のみ)で既に補助を受けている場合は、その補助金額・期間を含みます。本事業の補助金の交付を受けた治療にて妊娠され、さらに次の妊娠を希望される方は、補助期間を再び2年間設定できます。

なんとこの制度は一般不妊治療にも適応されるそうです。市町村独自の助成制度にも助成対象はありますが、少しでもプラスで補助してくれるのはうれしいですよね。まずは各自治体のホームページを除いてみてくださいね。

また、妊活の治療費も医療費控除の対象になります。確定申告をすれば払いすぎた税金が戻ってくるかもしれないので、領収書や交通費は控えておきましょう。

助成限度額や回数制限は?

助成限度額 1回15万円まで 年間の助成回数 制限なし 通算の助成回数 6回まで(40歳以上で助成を開始した場合は3回まで) 通算の助成期間 制限なし

※1回の治療とは、採卵のために薬を開始してから判定日までを言います。

以前は年間の助成回数に決まりがありましたが、これがなくなって通算の助成回数が10回から6回へ変更、さらに年齢によっても回数制限ができました。

いつ何回助成申請をしてもいいけど全部で6回までだからね、というニュアンスでしょうか。

10回から6回への差は大きいですよね。受ける側としては厳しくなっているように感じます。

助成額は1回15万円までですが、採卵の結果によって受け取れる金額が変わってきます。

凍結胚移植 7.5万円まで
採卵したけど卵が取れなかった

いい状態の卵がなく治療を中止した

7.5万円まで
卵胞が発育していない

排卵してしまったなど採卵までいかない

助成対象外

採卵までたどり着いた場合、それまでの治療費は助成対象になるんですね。

どのタイミングで助成金を申請するかは、夫婦の貯蓄額やライフプランによって変わってきますが、年齢によって助成回数が変わってくるため、30代で助成対象であれば早めに申請したほうがお得かもしれません。

申請期限は治療を終了した日(判定日)の年度内ですので、計画的に申請しましょう。

助成金が振り込まれるまでに3ヶ月ほどかかる地域もあります。不妊治療は体づくりもお金も計画性が大切です。

夫婦でよく話し合って進めてくださいね。

病院では助成金の説明はない?

病院では「助成制度もあるので対象の方は申請してみてください」と説明会で案内があるか、助成金のパンフレットを受け取るくらいの案内になります。

所得制限についてや、ひとりひとりの助成回数を把握するのは難しいため、病院側が1人ずつ助成金について介入するのは現実的ではありません。

不妊カウンセラーや体外受精コーディネーターがいる病院では相談しやすいかもしれませんが、自分で申請しないともらえない制度なので、治療を始めた方は計画的に申請していきたいですね。

助成金を申請したことがある人は半数以上!

※転載やリンクは必ずハッピーブレッシング調べと記載してください

ちょっとややこしい助成制度ですが、体外受精、顕微授精中で助成金を申請したことがあると答えてくれた方は59.2%。

「助成金を申請したことがない」と答えた方の中には、所得や年齢制限で助成対象外の方も含まれますが、思ったより申請している方が多く、助成金の情報が広まっていると感じます。

助成金を申請したことがある人は半数以上
厚生労働省で紹介されている特定不妊治療費助成制度の実績・成果の概要を見ると、平成20年は72,029人の助成件数だったのに対し、5年後の平成25年は148,659人と約2倍の方が制度を利用しているんです。

不妊の悩みを抱えるご夫婦が年々増えているため、今はさらに件数が増えていると思います。少しでも自己負担が少なくなるように見直しを進めてほしいですね。

申請に必要な書類は?

各自治体によって違いがあるかもしれませんが、一般的に必要な書類をご紹介します。

  • 特定不妊治療費助成事業受診等証明書(病院で記入してもらう)
  • 申請書
  • 医療機関発行の領収書とそのコピー
  • 所得額を証明する書類夫婦2人分(源泉徴収表、課税証明書など)
  • 戸籍謄本
  • 印鑑
  • 申請者の振込先口座番号の分かるもの
  • 申請をする人(夫婦どちらか)の身元が確認できるもの

病院で記入してもらう証明書や戸籍謄本は、受け取るまでに時間がかかるため、早めに準備したい書類です。

所得が分かるものが見当たらなければ、再発行してもらう必要があります。

申請書や証明書は各自治体のホームページから印刷できることが多いです。

最近では、病院に書類を一通り提出すれば、確認して郵送してくれる親切な病院もあります。

まとめ

助成金の申請はなんとなくわかりにくいイメージで、確かに手間がかかりますが、「市の担当の方に言われるがままだったけど何とか出来た」というお話を聞くことが多いです。助成対象かどうか一度チェックしてみてくださいね。

2020/09/28追記

不妊治療の保険適用について話題になっていますね。
国のトップが意欲を見せてくれたことで、これまで以上に期待が高まります。

私が通院を始めた時は、診察にどれくらい費用がかかるのか分からず、お金が足りなくてATMに走ることが何度かありました。

このくらい持っていれば大丈夫かな?という金額を軽く超えていくんですよね。。

当店のお客様の中には、金銭面で治療を迷われている方もいらっしゃいます。

全ての方が費用を気にせず治療を受けられるよう、1日も早い保険適用を願うばかりです。