妊活中の女性にとって、卵子の老化や卵子の質は気になることの一つではないでしょうか。
卵子は目に見えないため、自分の卵子がどれくらい老化しているのかわかりません。
細胞の若々しさに関係している物質として注目されているのが「ミトコンドリア」です。
何となく聞いたことがある、という方もいると思いますが、「ミトコンドリア」がどういう働きをするのか?詳しく解説していきたいと思います。
ミトコンドリアとは?
私たちの細胞には遺伝子情報をもつ「核」と、細胞を維持する為の「小器官」がありますが、小器官のひとつがミトコンドリアです。
ミトコンドリアは、細胞分裂や細胞維持に必要なエネルギーを生み出す重要な役割を担っています。
ミトコンドリアは酸素を取り込んでエネルギーを生み出すときに、活性酸素に変化してしまいます。活性酸素は細胞の老化の元となる成分として知られていますが、ミトコンドリアが大切な働きをする反面、活性酸素も生み出すと言うわけです。
では、ミトコンドリアが増えると活性酸素も増えて老化を促進させてしまうのでしょうか?
答えはNOです。ミトコンドリアは、酸素をエネルギーに変える時に活性酸素を発生させてしまうのと同時に、活性酸素が増えすぎて細胞を攻撃しないように、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という抗酸化酵素も作り出しているのです。
活性酸素も生み出すけれど、それ以上にSODという抗酸化成分も排出しているというわけですね。
元気なミトコンドリアは、SODをたくさん作ることが出来るため、活性酸素を酸素と過酸化水素水にどんどん分解して老化しにくい細胞を作ります。
ミトコンドリアがSODを生成する力が弱まってしまうと、活性酸素によって細胞が老化しやすくなるため、元気なミトコンドリアを増やす必要があるのです。
ミトコンドリアが減るとどうなるの?
細胞内のミトコンドリアの数は、使うエネルギー量によって違います。1つの細胞に平均300~1,000個ほどある言われていますが、卵子のミトコンドリアはなんと10万個も存在しています。卵子がどれほどエネルギーを必要としているのか分かりますね。
残念ながらミトコンドリアは年齢とともに減少していきます。若い細胞はミトコンドリが多く活発に働いているため、活性酸素を排出する勢いがありますが、年齢を重ねるとミトコンドリアの数が減ってしまい活性酸素を排出する力が弱くなります。
年齢以外にも喫煙やストレス、睡眠不足などの生活習慣によって活性酸素が増えすぎると、ミトコンドリアが十分に働けず、細胞の老化が進んでしまいます。
卵子の老化は不妊の原因の一つとなりますので、ミトコンドリアを増やすことが健康な妊娠に繋がると言えます。
ミトコンドリアを増やすためにできること
細胞の老化を食い止めるためには、ミトコンドリアが活性酸素を分解する元気を維持させるために、ポリフェノール、ビタミン、フィトケミカルなどの抗酸化成分を多く摂って、ミトコンドリアの負担を減らすことが重要になります。
抗酸化成分を摂取するほかにも、生活習慣の改善に取り組むことも大切です。活性酸素を溜めないようにすることで老化防止に繋がります。
また、ミトコンドリアは空腹時に増えることがわかっています。食べ物によってエネルギーが作られないと、不足分を補うためにより多くの酸素をエネルギーに変えようとミトコンドリアが増えるのです。そのため、プチ断食やカロリー制限も有効と言われていますが、妊活に必要な栄養が不足しないように気をつけましょう。
ミトコンドリアを元気にする栄養素
L-カルニチン・・・牛肉・豚肉
タウリン・・・イカ、タコ
ビタミンB郡・・・うなぎ、玄米
鉄分・・・レバー、ほうれん草
ミトコンドリアは滋養強壮に良い食品に多く含まれているイメージですね。細胞に必要なエネルギーを生み出すため日頃から積極的に取り入れましょう。
◆ミトコンドリアの働きアップ!おすすめレシピ
牛肉と厚揚げのカレー炒め
牛肉はL-カルニチンを多く含みは、ミトコンドリアを保護する働きがあります。
【 材料 】
厚揚げ…1枚(150g)
牛薄切り肉…100g
ほうれんそう…2株(約100g)
にんにく…1/2かけ
サラダ油…大さじ1/2
カレー粉…小さじ1
(調味料)
しょうゆ…小さじ2
みりん…小さじ1
砂糖…小さじ1
【 作り方 】
1、厚揚げに熱湯を回しかけ、縦半分にしてから横に幅1cmに切る。
ほうれんそうは根元を切ってラップで包んでレンジ600wで1分30秒加熱し、冷水にとってから水気をしぼり、長さ3~4cmに切る。
牛薄切り肉は2~3㎝に切る。にんにくは粗みじんに切る。調味料を混ぜ合わせる。
2、フライパンにサラダ油とにんにくを入れて中火で熱し、香りが立ってきたら、牛肉を入れて炒める。
牛肉の色が変わったら、厚揚げを入れて1~2分ほど炒め、カレー粉を加えて軽く炒める。
3、②へほうれんそうを加えて、さっと炒めたら、調味料を加え、全体になじんだらできあがり。
ほうれんそうの下ゆでは、電子レンジを使えば簡単なうえに、加熱時間が短いので、ビタミン損失が抑えられます。
加熱後はアクを取るために、必ず水にさらしましょう。ただし、長く水につけると、野菜のうま味まで流れてしまうので、さっとつける程度に。
ほかにも、妊活に効果的なレシピを紹介しています。卵子の質が気になる方は必見です。
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まとめ
健康な妊娠のためには卵子や子宮内膜の質を高めることが大切です。
原因不明の不妊や、治療がうまく進まないといった場合は、卵子のミトコンドリアが関係しているのかもしれません。
卵子の老化は避ける事は出来ませんが、ミトコンドリアを元気にすることは、卵子の質を高めて健康な妊娠を維持することに繋がります。
質の良い卵子や精子を育てるために、老化防止対策はご夫婦で取り組んでいきたいですね。