人は寝ている間に交感神経の働きを弱めて脳を休めたり、筋肉を緩ませて血行を良くするなど、体のメンテナンスをしています。
女性ホルモンを分泌させるためにも質の良い睡眠は欠かせません。
この記事では、妊活に効果的な睡眠時間と、ホルモンや卵子への影響について紹介します。
睡眠不足は卵子に影響する?
睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンは、脈拍・体温・血圧などを低下させることで、「睡眠の準備ができた」と体に認識させ、睡眠に向かわせる作用があります。
メラトニンは卵胞液中にも存在し、強力な抗酸化作用で排卵過程の卵子を酸化ストレスから保護していることが分かってきました。
メラトニンの分泌が少ないと、卵子の質の低下につながり、妊娠率にも影響するというデータが示されました。(※参照文献日本抗加齢医学雑誌より一部抜粋)
メラトニンは、セロトニンという神経伝達物質から作られます。セロトニンは太陽を浴びている昼間に作られるので、規則正しい生活で睡眠を取ることが卵子の質を高めることにつながります。
女性ホルモンに効果的な睡眠時間
性ホルモンを調整している成長ホルモンは、寝ている間に分泌されます。
深い睡眠を促すメラトニンは22時~2時頃に多く分泌されます。
妊活中は健康的なホルモン分泌のためにも早めに就寝し22時~2時には深い眠りについているのが理想です。
質の良い睡眠に導く6つのコツ+αを紹介します
睡眠時間を長く取ることも大切ですが、ホルモンを分泌するためには深く眠ることを意識しましょう。
お風呂は寝る1時間前までに入る
寝る直前の入浴は、交感神経が興奮して寝つくまでに時間がかかります。
どうしても寝る直前になってしまうときは、ぬるめのお湯で短時間にすませましょう。
食事は寝る2時間前までに終わらせる
寝る直前に食べると、消化に負担がかかり寝つきが悪くなる原因となります。
食事が遅くなるときは、消化に良いものを食べるようにしましょう。
ベッドに入ったらスマホを見ないようにする
睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、光環境に影響を受けやすいと言われています。
寝る直前にスマホやテレビなど明るい光を見ると、交感神経を高ぶらせてしまい不眠の原因となります。
寝る前にスマホを見るときは、画面設定で明るさモードを低くして短時間で終わらせましょう。
休日に寝だめしすぎない
休日に寝すぎてしまうと、体内時計が狂い睡眠サイクルを取り戻すのに時間がかかります。
1日の寝すぎが、数日の睡眠不足を作ってしまうのはもったいないですよね。
休日こそ早目に起きて体を動かし、早く寝る習慣をつけましょう。
不安や考え事で眠れないときは?
ベッドに入るとあれこれと考えがめぐって、目が冴えてしまうことがありますよね。
「早く寝ないと」と焦って眠れないときは無理に寝ようとせず、その気持ちに付き合ってみるのも1つの方法です。
「いつかは眠れる」「今日は考える日なんだな」と開き直ることでプレッシャーから開放されることもあります。
リラックスできる音楽を聞いたり、本を読んだりしながら、大切な時間として過ごしてみるのもいいですね。
眠れない時はホットミルクが効果的
牛乳にはセロトニンに変化するアミノ酸(L-トリプトファン)が含まれているため、リラックス効果が期待できます。
L-トリプトファンは、牛肉、鶏肉、卵、魚介類、大豆など高たんぱく食品に多く含まれています。
大豆には女性ホルモンに効果的なイソフラボンが含まれています。妊活中は牛乳よりも豆乳がおすすめです。
妊活中の寝酒はOK?
寝る前に飲む少量のお酒は、心の緊張をほぐして眠りに導いてくれますが、飲みすぎは眠りのリズムを崩す原因となるので注意が必要です。
アルコールは活性酸素を増やしてしまいますので、妊活中の飲酒は少量を楽しむ程度にしておきましょう。
まとめ
妊活中は質の良い眠りが欠かせません。睡眠不足は健康を損ねるだけでなく、卵子の質の低下を招くことが分かっています。
ホルモンが分泌される22時から2時には眠りについているのが理想です。
リラックスできる環境を整えて、質の良い睡眠をとれるよう意識してくださいね。