いざクロミッドを飲み始めたら・・・あれ?出血?生理はまだのはずなのに・・・と、突然不正出血があると不安になってしまいますよね。
初めての不妊治療で、薬を飲んだあとに不正出血があると、クロミッドのせいでは?このまま飲み続けて大丈夫?とモヤモヤした気持ちになるのも当然です。
医師に薬への不安を伝えると「よくあることだから」とさらっと説明され、「じゃあ薬なしでいく?」と言われてしまうと、どうすればいいのか分からなくなってしまいますよね。
不安な気持ちを抱えたままの治療にストレスを感じて、病院に行かなくなる方も多いんです。
不正出血の経験がある女性は半数以上!?
不正出血について調べてみると、無排卵や排卵出血、ホルモンバランスの変化など様々な原因が出てきますが、実は女性の6割が不正出血を経験したことがある、というデータがあります。
更年期に経験する不正出血も含まれるため、妊活中の20~40代の女性に限った割合ではないですが、不正出血で不安になったことがある女性って意外と多いんです。
不正出血は広い意味で使われますが、そもそもクロミッドが原因で出血することはあるの?というのが知りたいところです。
クロミッド服用中や、不妊治療中に不正出血が起こることは本当によくあるのでしょうか?出血することがあるとすれば、どんな原因があるのでしょうか?
クロミッドの作用と副作用から、クロミッドが原因で出血することがあるのかを探ってみました。
クロミッドってどんな薬?
クロミッドは不妊治療薬のなかでも代表的な内服タイプの排卵誘発剤です。体への負担も少なく、治療をスタートしたばかりの時期によく使われます。
脳の視床下部に働きかけて、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌と卵胞の成長を促す作用があります。
クロミッドの服用期間は、生理開始5日目から5日間が一般的で、服用終了後、1週間ほどで卵胞が成熟卵になり排卵が起こる仕組みです。
クロミッドの副作用に出血はある?
クロミッドの副作用や起こりやすい作用をまとめました。
- 頚管粘液が少なくなる
- 半年以上継続して使うと子宮内膜が薄くなる
- 卵巣過剰刺激症候群による下腹部の張りや痛み、顔のほてり
- 多胎妊娠の可能性
- 視覚障害、霧視
- 吐き気、頭痛、いらいら、倦怠感、発疹、体重増加
クロミッド以外の排卵誘発剤も同じような副作用がみられますが、クロミッドは比較的副作用の少ない排卵誘発剤です。
不正出血について着目してみると、クロミッドの副作用に不正出血については書かれていません。
卵巣過剰刺激症候群は全体の1%、多胎妊娠の可能性は6%ですので、不正出血の副作用が1%でもあれば、子宮内膜が厚くなりにくいことや頚管粘液が少なくなることと同様に明記されてもよさそうです。
クロミッドが不正出血の直接的な原因ではなくても、間接的に出血しやすい環境や変化を起こさせているかもしれません。
クロミッド内服中に不正出血するのはどんなとき?
不正出血は幅広い意味で使われます。ここではクロミッド服用中に起こりそうな出血をまとめています。
排卵出血
排卵出血は生理と生理の間に起こる出血で、中間性出血とも呼ばれます。排卵したときに卵巣の表面が破れることで出血し、その血液が排出されるために起きる出血です。
排卵出血はクロミッドに関係なく、自然排卵でも起こる可能性があります。
排卵出血は毎回起こるわけではなく、期間も1~3日ほどで止まります。茶色っぽい、おりものに少量だけ混ざるなど、色や量も人によって様々です。
クロミッドを飲み終えて1週間前後であれば、排卵出血の可能性もありますね。
エコーでの卵胞チェックでおおよその排卵日は予測できますが、予定より早く排卵することもあるので、基礎体温やおりものの状態と合わせて排卵時期をチェックしてみてくださいね。
ホルモンバランスの変化による不正出血
月経はエストロゲンとプロゲステロンが急に減少することで起こります。
エストロゲンの分泌グラフには山が2回あって、まず卵胞が育つときに最大に分泌され、排卵期になると下がります。
そしてまた高温期にじわじわ増加して子宮内膜の増殖を助け、生理開始とともにぐっと下がります。
排卵期はエストロゲンが下がりますが、下がったまま少しも分泌されないと、排卵期に生理前と同じホルモン状態になって出血することがあります。
これはクロミッドとは関係なくホルモンバランスの乱れが原因で起こります。
クロミッドの服用でホルモンの分泌が活発になり、これまで休んでいたホルモンが一時的に追いつかず出血することもありますが、ホルモンが正常に分泌されるようになれば不正出血もなくなります。
クロミッドの効果がなく無排卵だった
クロミッドの有無に関わらず、無排卵が原因で生理様の出血が起こることがあります。
通常は排卵したあと黄体ホルモンが分泌されますが、黄体ホルモンの量が足りないと、子宮内膜が維持できず不規則に内膜が剥がれます。(破綻出血)
クロミッドで排卵する可能性は70~80%と言われていて、確実なものではありません。
クロミッドの効果がなく無排卵の場合、生理予定前に出血することもあります。
頚管粘液が少ないことによる性器出血
クロミッドの副作用のひとつに頚管粘液の減少がありますが、膣の潤いが少ない状態で夫婦生活をもつことで性器出血することも。
出血はすぐに止まりますが、何日も続くときは他の原因も考えられますので婦人科を受診してくださいね。
まとめ
現時点で分かっているクロミッドの副作用に「不正出血」はありませんが、排卵出血などの生理現象や、不妊治療中以外にも起こり得るホルモンバランスの変化が重なって、服用中に不正出血が起こることは十分に考えられます。
一時的なホルモンバランスの変化の可能性もあるため、持続的な出血でなければ、クロミッド内服中の不正出血は様子を見るのがよさそうですね。
ただ、不正出血は子宮の病気が隠れている可能性もあるため、自己判断をせずに病院で相談しながら自分にあった治療方法を見つけていきましょう。
クロミッドを効果的に働かせるためにも、治療と並行してバランスの良い食事、運動などで体づくりをしておくことが大切です。